バチラー夫妻記念教会堂

アイヌの地位向上に尽力し、地域に受け入れられたイギリス人

アイヌの人々が教育を受けられるように学校を設立、水害や凶作で苦しむ土地のアイヌの人々に支援物資を送るなど単なるキリスト教布教のためではできない活動を太平洋戦争の始まりで強制退去を命じられるまで続けてくれた人物です。 その人柄にはアイヌだけではなく伊達にすむすべての人たちからも尊敬をうけ、地域に愛されてきた様子もうかがえます。
「若きウタリに」の作品が生まれた土地として

八重子も終生バチラーに付き添いアイヌの地位向上に尽力していく活動家となっていきます。
その活動のかたわら書き溜めた歌集が、アイヌ語の研究としても知られる金田一京介博士の目に留まり掛川源一郎の編集によって世に広まっていくのでした。
「若きウタリに」はアイヌ民であり、イギリス人の養女であり、そして日本人でもあるという彼女の数奇な運命と同胞への思い、そして生まれ育った有珠の自然への愛が和歌の形で綴られた歌集です。
アイヌ民族でもある彼女が日本語である和歌の形式で言葉を残していったという特殊なものでもあり、時に力強い言葉で書かれたその歌には悲しみや怒りなどの複雑な思いが込められています。
「海もよし 山もうつくし 人もよし ほんに住みよき 有珠コタンかな」などの歌も残っており、生まれ育った有珠の愛がうかい知れます。
夫妻の献身の偉業と八重子の言葉を今に伝える


アイヌの人々が「カムイ・タッコプ(神の丘)」と呼んでいた場所にキリスト教の神の家である教会が建ったとは異なる文化が融合を果たした成果ではないでしょうか。
また歌人として知られた八重子も地域の人々に愛され、1962年に生涯を閉じるまで伊達市の有珠に暮らしていました。
彼女の残した言葉を後の世に残すために「若きウタリに」から抜粋された歌碑がこのバチラー夫妻記念教会堂と他2か所にも建てられています。
館内の一般公開はされておりませんが、4月から10月までの礼拝日には見学は可能になっています。

所在地 | 北海道伊達市向有珠町119 |
---|---|
お問合わせ | 011-747-7339 札幌キリスト教会 大町牧師 |
- Comments ( 0 )
- Trackbacks ( 1 )
-
[…] なに!? このかわいい建物。 とっても萌えます。 →詳しくは NPO法人だて観光協会 バチラー夫妻記念教会堂 […]
コメントはまだありません。